溜息EVERYDAYS ももたろう

昔昔ある所に、右手袋と左手袋が居ました。

　右手袋は山へ洗顔に、左手袋は川へ芝刈りに行きました。

　左手袋が川で芝刈り用の草を探していると、
　川の上流の方からどんぶらこどんぶらこと球体が流れてきました。

クレイジー「ん？　なんだありゃぁ？」

　左手袋はそれを拾いました。
　それは亜空間爆弾と言う危ないっぽい爆弾っぽい物でした。

　ですが左手袋はお馬鹿さんなのでそれがなんなのか解りません。
　近くに犬のお巡りさんも居ないので困ってしまいました。

クレイジー「よぉし。持って帰って右に訊いてみよう」

　左手袋はフヒヒとほくそ笑みながら帰りました。

　と、誰も居なくなった川に緑色のキャベツが流れてきました。

緑メタナイト「本来ならあれより先に流れてきて
　　　　　　『なんでキャベツやねん』と突っ込まれるはずだったのだがこれ如何に」

　そう呟いて下流へと流れて行きました。
　さようなら。

クレイジー「と、言う訳なんだが」

マスター「ホントにお前はお馬鹿さんだなぁ。
　　　　　お前は街に行った事が無いから知らないだろうけど
　　　　　これはシュークリームって言うんだ」

クレイジー「なん……だと……？　これがかの有名なシュークリームと言うのか」

マスター「私の頭の良さに跪け」

クレイジー「寧ろ泣きます」

マスター「早速割って食べよう」

クレイジー「流石右。行動が早い」

マスター「そこにある電動のこぎりを取ってくれ」

クレイジー「ところで右よ。シュークリームはもっと茶色だと訊いたが」

マスター「幻想だ。早く取れ」

クレイジー「お前もしかしてこれなんなのか知らねぇんじゃねーの？」

マスター「ぎっくりどっきり知らないよん。さぁ早く電のこを」

クレイジー「白状しろよでこ助野郎」

マスター「すいません知りませんごめんなさい」

　揃ってお馬鹿さんの二人はこの得体のしれない球体を破壊する事にしました。
　本当に救いようのないお馬鹿さんですね。

マスター「はぁっくしょん！」

クレイジー「ぶるあぁぁぁ！」

マスター「おかしいな風邪でも引いたか」

クレイジー「俺花粉症かも」

　球の破壊方法は両側から引っ張るようにするようです。

　ですがちんたらしているので中の人はいらいらしてるようです。

桃太郎役の人（くそったれめ……早く開けろよ……。
　　　　　　　正面に思いっきり『ここのボタンを押せばおｋ』って書いてるじゃねーか……）

クレイジー「あっ、右、右、Hey Right！」

マスター「英語使ってイケメソ振るな。で、どうした」

クレイジー「なんか書いてるぜ」

桃太郎役の（ry（そうだそうだ。そして私が飛び出して突っ込みを……）

マスター「ここのボタンを……せばおけー？　日本語を書けよ、馬鹿じゃねぇの」

も（ry（なんで押すが読めねーんだよ！　つーか全部日本語じゃねーか！）

クレイジー「あっ、なんかスイッチがあるぜ」

マスター「押してみよう」

(ry（押すって自分で使ってんじゃねーか！）

　何はともあれこれで筋書き通りです。

　ですがここでハプニングが起こりました。
　右手袋がスイッチを押すと爆弾が爆発したのです。
　辺りは真っ黒焦げになってしまいました。

タブー「じゃんじゃじゃ～ん！　爆弾から生まれた桃太郎で～す！」

クレイジー「何故爆発したし」

マスター「家を返せ」

　本当は桃太郎が出てくるだけの段ボール製の物だった筈が本物の爆弾にすり替えられていたようです。

スネーク「すり替えておいたのさ！」

　ホームレス生活を強いられることになった両手袋と青タイツは一緒に仲良く暮らしていました。
　月日は過ぎ――

クレイジー「ニ週間しか経ってねーけどな」

マスター「お話的にここらでお前どっか行け」

タブー「どこに行けと」

マスター「鬼が島って所だ。おやつにゲロマズきび団子をくれてやる」

タブー「おら、すっげぇワクワクしてきたぞ！」

　ひょんな事から鬼退治の為に鬼が島へ行く事になった青タイツでしたが結構ノリノリのようです。
　さぁ、いざ鬼退治へ！

タブー「ちょ、道に迷ったんだが」

　開始早々道に迷ってしまった青タイツは休憩の為に近くの木へ座り込みました。

猿「やぁやぁ、青タイツさん」

　と、そこへお猿さんがやってきました。

ディディー「そのきび団子をおくれ」

タブー「だが断る」

ディディー「道を案内しようかと思ったのに」

タブー「どうぞ」

　ゲロマズきび団子をお猿にあげるとお猿は快く仲間になってくれました。

ディディー「この先、左方向五百メートルです」

タブー「すごい、快適」

ディディー「このまま、道なりに進むルートです」

タブー「これなら鬼が島にもすぐ着きそうだな」

　とそこへ。

わんわんお「おいハゲ」

タブー「は……ハゲッ……！？」

　わんわんおが前に立ちはだかりました。

ウルフ「いいからきび団子をよこせハゲ」

タブー「だが断る」

ウルフ「あ？　今なんつった、ハゲ」

　わんわんおはよっぽどきび団子が欲しいのか、凄い剣幕で睨み付けました。
　それに小便を漏らしかけた青タイツはびくびくしながらきび団子を手渡しました。

ウルフ「弱者はそうやって媚び売ってりゃ良いんだよ！　ハゲ！」

タブー「そんなハゲハゲ言わなくても良いじゃまいか……ブワッ」

　青タイツは泣き出してしまいました。
　ですがわんわんおは青タイツの頬はひっぱたきました。

タブー「あいたァ！」

ウルフ「うじうじしてたら引き裂くぞ、コラ！」

　そんな凸凹トリオは鬼が島へ向けて歩き始めました。

　彼らの目の前に川が流れていました。

ディディー「泳いで行こうよ」

ウルフ「早く行くぞ、雑魚」

タブー「かしこまりましたご主人様」

　青タイツとわんわんおの立場は逆転していました。

ディディー「あ、なんか流れてきた」

タブー「ん？」

　上流からさらさらと素麺……ではなく鳥が流れてきました。

ファルコ「おい誰だ素麺言った奴。クチバシをぶっ刺すぞ」

ウルフ「黙れ素麺。お前も一緒に鬼退治にいきゅあごはぼあッ！」

　ファルコのクチバシがウルフの腹にねじ込まれました。

ファルコ「とにかく、俺はそんな物を手伝う気は無い」

タブー「素麺さん素麺さん。このきび団子を食べればぐしゅあびころんぱァッ！」

ファルコ「畜生、どいつもこいつも口を開けば素麺って言いやがって……。で、なんだ、それは？　きび団子？　へぇ……不味そうだな。え？　くれるって？　いやぁそんな不味そうなのいらね。あ、おいディディー！　あーあ、食べやがった。腹壊しても知らねーぞ。いや、別に欲しくないぞ。え？　なんとも言えない匂いがいい感じ？　へー、ちょっとしか食べないぞ、ほんの一口だからな。うん、もぐもぐ……仕方ないな、もう一口貰おうか。おぉ、もぐもぐ、もっとよこせよ。うん、まだあるだろ、早くよこせ。もぐもぐ。全部よこせ、うるさい、もぐ、俺が食うんだ、よこ、もぐ、せ、よこせ！　ふぅ、あれだな、少し水っ気が足りないな。そうだそこの川にさらそう。……フヒヒ、良い感じにぐちょぐちょになったじゃねーか。ぐへへ、もぐもぐ。うめぇうますぎる。なんだよこれは川の水がいいパンチを利かせてるじゃねぇか。ぐふ、お、まだある、な。もっと、食べ、ぎひ、えひ、きびだ、川、水、げほ、かゆ、うま……くぁｗせｄｒｆｔｇｙふじこｌｐ」

　素麺は大変なきび団子に洗脳されました。

　何はともあれ心強い仲間が三人も出来ました。

タブー「いざ行かん、鬼が島」

ウルフ「出しゃばるなハゲ」

タブー「申し訳ございませんですた」

ウルフ「あぁ？　もう一回言ってみろ」

タブー「あぁ、すいません！　許してくだしあッ！」

　わんわんおの鋭い爪に桃太郎が引き裂かれました。

　一行は鬼が島へ向け足を進めるのでありました。

緑メタナイト「素麺の前に私が流れてきて『なんでキャベツやねん』と突っ込まれる筈だったのだがこれ如何に」

　と呟きながらキャベツは流れていきました。
　さようなら。