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暇人の暇人による暇人の為のブログ。 小説を書くとか書かないとか。
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急ぐと思うように作品が書けない。
それを学んだ今回。

gdgdすぎて何も言えないです…><

タイトルの意味は「動き」です。



 テーブルをひっくり返し、ファルコの視界を遮る。

 刹那、ブラスターから放たれた光線が木製の板をくりぬく音が響く。

 その一瞬の合間を縫ってスネークは影から飛び出す。テーブルの|縁《ふち》に掴まり、宙での強烈な回し蹴りを放った。

 流石に反応が遅れるも、ギリギリのタイミングで体を反らすファルコ。スネークの脚が|嘴《くちばし》を掠めた。

 ブリッジをするように避けたファルコはすぐさまサマーソルトキックの体制に転じ、スネークに反撃を浴びせる。

「んごっ」

 情けないうめき声と共にスネークの肢体が後方へぶっ飛んだ。

 あの体制からファルコのキックを避ける事は叶わず、間抜けに突き出していた顎に一発貰ってしまった。

 完全に無防備になったスネークへブラスターの照準を合わせる。
大乱闘時のブラスターの威力は微々たる物だが、実戦となると射撃は殺人級となる。

「じゃあな」

 引き金をまさに引かんとした時。

 スネークの手から針金が滑り落ちた。いや、あれは針金なのか。

「――ッ!」

 次の瞬間、足元から凄まじい爆炎がファルコの足元から全身を包み込む。
その元凶は手榴弾。あの中空での回し蹴りの際にスネークが仕掛けておいたのだ。

 粉塵からファルコの体が吹き飛び、奥のテーブルを巻き込みながら倒れる。

 華奢な造りのテーブルは天版が半分に割れ、置いてあった砂糖類の小瓶が音を立てて砕け散った。

 怒りと痛みでぐらぐらする頭を抑え、ファルコがゆっくりと立ち上がる。
顔に付いた砂糖の匂いが少し気になった。

 辺りを見渡せばスネークの姿は無い。だが店を出入りした様子は無いので恐らく店内に隠れている筈。
ファルコは頭に昇った血を抑えつつ、ブラスターを構えた。

 どこだ? カウンターか?それともテーブルの裏か?

 先程の爆発で辺りはぐちゃぐちゃになっていた。手榴弾の一番近くにあったテーブルは木っ端微塵に吹き飛んでいた。

「出てきやがれ!」

 出てくる訳が無い。だがファルコは続けた。

「コソコソしてんじゃねぇぞ!」

「弱い奴程よく吠える」

 不意にそんな声が聞こえた。だが位置までは掴めない。

「能ある鷹は爪隠すって言葉、知ってるか?」

「……知らなかったら」

 足音を殺し、カウンターの右端に近づく。
右手の指はいつでもブラスターを撃てるように引き金に。

「どうだってんだよッ!」

 持ち前の脚を活かし、天井近くまで飛び上がる。
連射機能は弱いものの、数発叩き込めば終わる。

「――!?」

 それは、相手が生き物の場合だ。
小さなスピーカーに銃弾の雨が降り注ぐ。一瞬でスピーカーは大破した。

「ほら釣れた」

 後ろを振り返ればスネークの長い足が180度振り上げられていた。
回避を、いや間に合わない。既にスネークの足は降り下ろされている。

 ファルコの脳天にかかと落としが直撃する。凄まじい衝撃に意識が飛びかけ、吐き気を催す。

 しかし今のファルコに胃の中を綺麗にしている時間はなかった。
かかと落としの威力は凄まじく、真下のカウンターへ体が落ちる。
いや、その表現はもう衝突と言っていいだろう。

「そら、伸びてる暇無いぞ」

 スネークが追い討ちをかけるべく、足を交互にペダルを踏むように突き出してきた。
再び揺れる頭と鬱陶しい吐き気を無理矢理抑え、ファルコは体に鞭を打つ。

 ゴロゴロと無様に転がり、その追い討ちをかわす。

「……あのスピーカー……」

 起き上がり、スネークに率直に質問をぶつける。
油断はしないよう、もう1つのブラスターを構える。
さっき構えていたのはカウンターの近くに落としてしまった。

「なぁに。お前が吹っ飛んでた時に仕掛けてただけさ。後は音量マックスにして」

 スネークの言葉はそこで途切れる。ファルコがブラスターを乱射してきたのだ。

「お前……ちょっとズルくないか……?」

「うるせぇ!」

 元よりプライド等捨てたようなもの。

 卑怯? 上等だ!

 だが、最初の不意討ちも含め、攻撃が当たらない。

 何発撃っても何発撃っても当たらない。
それどころか相手は余裕の笑みだ。冷めた頭に再び血が昇っていく。

「このやろッ……」

「チャンスをやろうか」

 ピタッとスネークの動きが突然止まる。

 これは好機と、一瞬動きの止まったファルコは、すかさずスネークの頭へブラスターを打った。
命中精度だけなら誰にも負けない自信がある。

「……やっぱり釣れたな」

 三日月の如く歪められたスネークの口。

 一筋の光線が超速の勢いでスネークに直進していく。
そして、それがスネークの頭を貫くといったその瞬間、硬質な音が響き光線が消えた。

 否、光線は逆の方向に、行きとは比べ物にならない程のスピードで逆走した。

「いっつ……!」

「ジャストシールド……上手くいったな」

 スネークが行ったのはシールドを寸前の所で発動し、飛び道具を跳ね返す『ジャストシールド』である。

 跳ね返された光線はファルコの手中のブラスターを弾いた。

「ふふふ……まだまだ甘いな、ファルコ」

「けっ……まだ勝負は着いてねーっつーの!」

 ファルコが駆け出す。到底攻撃が通るとは思えなかったが、何もせずに負けは認めたくなかった。

「なぁファルコ」

 またスネークが話しかける。耳を貸すつもり等毛頭無い。

「この部屋、きな臭いと思わないか?」

 嫌でも声が耳に入る。だが返答はしない。

「あぁ……顔から甘ったるい匂い出してるもんな。気付く訳無いか」

 そこでスネークはシールドを展開した。ならばこちはら投げ技を使うだけだ。

 そこでスネークが火の着いてない爆弾を取り出した事に気付く。手榴弾でもあるまいし、何をする気なのか。

 ごとん、と彼が爆弾を落とす。
あまりにその動作が自然すぎて、ファルコは釣られて目で追ってしまった。転がる爆弾の先には、床を焦がすタバコ。

「な……」

 もう止まれない。
爆弾の導火線はあまりにも短くて、目眩を起こすような光と共に爆弾は爆発した。

「ゴホッゴホッ……。流石に至近距離すぎたか……」

 服に付いた埃を叩くスネーク。

「中々洒落た終わりだっただろう。
 最初に捨てたタバコは消える事なく燃え続けていた。
 初めの爆発で辺りは吹き飛んだがタバコはテーブルに守られたしな。
 後は頭に血が登ったお前をこっちに導くだけ……ん?」

「あのですね。あんまり仲間割れはしないでくれませんかね」

 立ち込める煙りの中、立っていたのはファルコではなかった。

「ウォッチ……お前、来てたのか」

 Mr.ゲーム&ウォッチがファルコの前に立っていた。

「ウォッチ……テメェ邪魔してんじゃねぇよ」

「死んでましたよ?」

 軽い感じで話しはしていたが内に飛び交う火花は熱かった。

「なんだ? お前が出張るなんて珍しいな」

「最重要事項です。今すぐ会議に出席して下さい」

「そうか。ならさっさと行くとしようか。
 鬼の……じゃないな、クレイジーの気が変わらない内にな」

 肉質の体からはかけ離れたか細い笑い方をし、スネークは転送装置を使って消えた。

「あの野郎! 逃げやがって!」

「ほらほら、ファルコさんも早く」

「ぬぐっ……クソッタレ!」

 罵倒はウォッチに飛んできた。悪態をつきながらファルコも転送で消えた。

 ウォッチ1人が取り残された、荒れた喫茶店。鼻を突く火薬臭がとても不快感を与える。

「ふぅ……」

 そんな、戦場の有り様を詰め込んだような空間の中、ウォッチは小さく溜め息をつく。

「……見学時間は終了しましたよ?」

 きっと寒気がするのは、隙間風のせい。彼が発する殺気は部屋の匂いに対してだ。

 そう思わないと、あっと言う間にボロが出る。

「クックック……未だ気配を隠せているのは上出来ですね。でも、もう良いんじゃないですか?」

 殺気だけで殺されそうだった。

「ピカチュウさん?」

 バレていると自覚しても、名前を呼ばれると心臓が大きく跳ねた。


 

「デデデ大王ー、ご飯が出来たよー」

 のどかな正午。世間よりも気候が温暖であるプププランドでは陽気な日差しが住民の意欲を削ぐ。
かつては国民の100パーセントが働いていないと言う事態に落ち、
そのあまりの状況に騎士メタナイトと部下のメタナイツによるクーデターも起きたりした。
だがそれも結局失敗に終わり、プププランドはやはり世界でも最低レベルの就職率を誇っている。

「……なんだ? これ……」

 怠惰を極めるこの国の王も、それなりに怠惰を極めている。

「あははー、半カップラーメンだよ」

「スープすら無いのはどういう事だゾイ!」

「カービィが城の食物庫から全部かっさらっちゃったからねー。我慢してよー」

 国を幾度となく救った英雄でさえ、食べ物には目がないのだから仕方ないのかもしれない。

「カァァビィィ! どこだぁぁぁ!」

 プププランド大王、デデデは凄まじい勢いで部屋から飛び出した。

「じゃあ俺これもーらった」

 そこの専属シェフ、コックカワサキは固い麺をボリボリと貪っていた。

「カービィ、見つけたゾイ!」

「あ、デデデ大王おはよ」

 食糧泥棒は特に悪びれる風でもなく、トマトをかじりながら廊下を歩いていた。

「もう今日と言う今日は許さんゾイ! お前をこの城から出入り禁止にしてやる!」

「ぽよ? それってどういう」

 カービィの頭を掴み、窓の外から放り投げる。
カービィも事情が飲み込めないようでそのまま地面に落ちていった。

「ワドルドゥはどこだ!」

「ここに居ます、陛下」

 丁度近くを通りかかったワドルドゥがデデデの近くまで歩み寄る。

「ワドルディ達に報せろ。今よりカービィを城に立ち入らせるなと」

「カービィを? はぁ……解りました」

「因みに。カービィが城に入った場合、貴様らは全員クビだ!」

「え!? ……了解……しました……」

 兵士を全員クビにすれば誰が城を守るのかと言う事態に陥るのだが、この大王なら本気でやりかねない。

 ワドルドゥは血相を変えて広い城を走り回った。

「なにぃ? 俺達がクビになるだと?」

「カービィを城に入れなけりゃ問題ない筈」

「よっしゃ野郎共、死ぬ気で城を守れ!」

「オイラ達の本気を見せてやる!」

「全ての出入り口に兵士を配備しろ!」

「唇お化けが買ってきた変な装置があったな。あれを使え!」

「城門を閉じろ! 堀にブリッパーを放すんだ!」

「装置準備完了! 電磁バリア展開!」

「大砲準備完了! 兵士配置完了!」

「おやつは捨てろ! 奴に狙われるぞ」

「バナナはセーフッスか?」

「バカ野郎! 食べ物がアウトだ!」

「見張り台にはA班とB班が行け!」

「中ボスの配置は?」

「完了しましたー」

「よぉし、兵士達よ! 絶対にカービィを通すな! 私達の未来の為に!」

「おぉーッ!」

 いつになく物々しい雰囲気のデデデ城。だが、当のデデデはマイペースにくつろいでいた。

「がっはっは。これで我が城の安全は確保されたゾイ」

「大王様……」

 水で薄めたワインを飲み高笑いするデデデ。そこにバンダナを着けたワドルディが入ってきた。

「どうした?」

「郵送物を点検していたらこんな物が」

 差し出されたのは1通の手紙。紙は茶色に変色し、黒い汚れが目立った。

「なんゾイ、これは?
 王たるワシにこんな物を送るとはいい度胸だゾイ。構わん、捨てろ捨てろ」

「よろしいのですか?」

「構わんと言ってるゾイ。他に何かあるか?」

 ワドルディが手紙が入っている袋を漁る。そして目当ての物を見つけたようだ。

「ふむ……。これだけか?」

「はい」

「よし、下がれ」

 ワドルディは恭しくお辞儀をすると足早に部屋を出た。
デデデはワインを飲み干し、グラスを脇に置くと、乱暴に手紙の封を開ける。

「……ぐふふふ」

 気色の悪い笑みを浮かべ、更に手紙を読み漁るのだった。


「どうしたの?」

「どうしたもこうしたもない。カービィ、お前は城への立ち入りを禁止された」

 城門近くの見張り台かワドルドゥが淡々とカービィに告げた。

 先程カービィは城への浸入を試みたのだが、城に近づくと電撃を浴びせられどうにも浸入出来ない。
大声を張り上げ、やっと話が通じたと思えばこの始末である。

「そんなイジワルしないでよー」

「私達にも生活がかかっているのだ。我慢してくれ」

 寧ろ今まで食糧を盗られ続けたのを我慢していたのはこちらの方だが。
などとワドルドゥが少し後ろめたい気持ちになっていると、カービィは俯いていた顔をこちらに向けた。

「……じゃあ良いよ。大王なんて知らない」

 くるりと向きを変え、カービィは去ってしまった。その背中はどことなく寂しそうだった。

 ワドルドゥは些か驚いていた。
カービィが意外にもあっさりと退いたからだ。てっきり武力行使で突撃してくると思っていたのに。

 しかし、あちらが退いたのならばこちらが気に病む必要もないだろうと、ワドルドゥは楽観的に考える事にした。

「空が青いなぁ……」

 広く続く青空をぼんやりと眺め、ワドルドゥは消えた騎士を思い出していた。
何故思い出したのかは解らない。ただ、うっすらとメタナイトの事を思い出していた。


 

「うーし、今日の会議はここまでだ。かいさーん」

 解散の「か」を言った時点で大半が席を立った。よほど退屈だったのだろう。

「おいクレイジー、何回もおんなじ事議題に出すなよな」

 ファルコが片手にペットボトルを持ちクレイジーに歩み寄る。
首の骨をバキバキと鳴らしていたクレイジーは露骨に嫌そうな顔をする。

「……作戦開始時刻はいつだ?」

 そしてそんな事を言った。

「……10時だ」

「8時だ。お前寝坊するつもりか?」

 ファイルを纏めていたフォックスが呆れるように呟く。
その一言にファルコがペットボトルを握りつぶす。

「お前みたいなバカがいるから何べんもやるんだよ。もう1回復習してろ」

 クレイジーが丸めたプリントでファルコの頭を小突く。
その様子にフォックスがくすりと笑った。

「いいか、お前ら! あいつらは裏切り者だ! かつての仲間だろうが関係ねぇ、存分に暴れるぞ!」

 最後にそれを言い残し、クレイジーは部屋を出る。

「おい、ファルコ」

「ん、スネークか……けっ」

「あの時言いそびれたんだが、ピカチュウがワリオの所に行く事になってる」

「……ぷっ。傑作じゃねぇか。終わったな」

「これを言おうとしたのにお前は……」

「いいじゃねぇかよ、さっさと言わねぇてめぇがわりぃ」

 去り際にそんな会話が聞こえた。

 彼の向かう先は地下の牢獄。先程決まった吉報を知らせに向かう為だ。
もっとも、吉報と言う表現はクレイジーの嗜虐心による物で、知らされる人物にとっては地獄への片道切符とも言える。

 重々しい鉄扉を開き、牢獄の中を確認する。

 長方形の部屋はとても薄暗く、壁にかかっている僅かな蝋燭が光源だ。
部屋の造りは石造りで、ろくに磨かれてないのでゴツゴツとしていた。
そんな長い部屋に数多くの牢が取り付けられている。

「よぉ、元気か?」

 話しかける時はあくまで柔らかに。

「……早く、放してくれ……」

 1年と言う時間は彼を壊すのに充分すぎる時間だったかも知れない。

 実際、クレイジーがこの計画を立てたのも彼を壊すのが大半の目的だった。
だが、彼はつい先日壊れた。もう少し持つと思っていたばかりに少し残念だった。

「嬉しい知らせがあるぞ」

 壊れたものは更に壊すのが面白い。

「…………」

 彼の眼にほんのりと輝きが戻る。

「お前ももう苦しまなくて済むぜ」

 帰る場所があるから、人はそこへの未練を抱く。
帰る場所があるから、人は頑張ろうとする。
帰る場所があるから、人は希望を抱く。

 妬ましい。ただ、妬ましい。

「喜べ。俺らは明日、プププランドを強襲する」

「……ッ……?」

 言われた事が理解出来てないようで、彼は目を白黒させていた。

「メタナイト、お前は返さねぇし、帰る場所も無くしてやるよ」

 数瞬遅れてメタナイトが事態に気付く。そして震える体。

「う、あ……」

 完全に、沈んだ。にやつく顔が止まらない。

「うああああああああああああああッ!」

 悲痛な叫びが、深夜の城に響き渡った。
 

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